岡本マサヨシ
お問い合わせ 公式LINE
手放すことは無くすことでは無い

手放すことは無くすことでは無い

こころ日記

失うことが怖いと、人は前に進めなくなる

人は何かを始めようとした時、

「これを使ったら、なくなってしまう」

「これを手放したら、自分の居場所がなくなってしまう」

そんな不安を感じることがあります。

たとえば、お金。

本当は自分のために必要だと思っていることがあっても、

「今このお金を使ったら、貯金が減ってしまう」

そう考えて先延ばしにする。

もちろん、生活を守るためにお金を残しておくことは大切です。

でも問題は、

本当に必要だから残しているのか。

それとも、なくなることが怖くて動けないのか。

ということです。

同じことは仕事にもあります。

自分が長い時間をかけて築いてきた仕事。

苦労して覚えたこと。

努力して作ってきた人間関係や仕組み。

それを後輩や部下に渡すことに抵抗を感じる人がいます。

「自分はこんなに苦労してきたのに、簡単に教えたくない」

そう感じることもあります。

でも、その奥を見ていくと、

「自分の仕事がなくなるのではないか」

「自分が必要とされなくなるのではないか」

「自分のポジションを取られるのではないか」

という恐怖が隠れていることがあります。

だから、仕事を抱える。

人に任せられない。

荷物を下ろせない。

すると、本当は次の場所へ進めるはずなのに、

ずっと同じ場所で、

同じ仕事を抱え続けることになります。

これはお金も同じです。

お金を手放すことが怖い。

仕事を手放すことが怖い。

立場を手放すことが怖い。

共通しているのは、

「手放したら、自分から何かがなくなる」

という意識です。

けれど人生には、

握りしめているから入ってこないものがあります。

両手いっぱいに荷物を持っていたら、

新しいものを受け取ることはできません。

仕事を人に任せるから、

自分は次の仕事へ進める。

知識を後輩に渡すから、

組織は育っていく。

自分のためにお金を使うから、

今までとは違う自分に変わっていくこともあります。

手放すことは、

失うこととは限りません。

次のものを受け取るために、

手を空けることでもあるのです。

もちろん、

何でも手放せばいいという話ではありません。

貯金も必要です。

自分の仕事を守ることも必要です。

大切なのは、

自分の判断が、

「必要だからそうしている」のか、

それとも、

「失うのが怖いからそうしている」のか、

そこを自分で見てみることです。

もし、

本当はやりたい。

本当は変わりたい。

本当は次へ進みたい。

そう思っているのに、

「なくなるのが怖い」

という理由だけで動けなくなっているなら、

見直すべきなのは、

お金でも、

仕事でも、

環境でもありません。

その奥にある、

失うことへの恐怖です。

人生が変わる時というのは、

何かを手に入れた時だけではありません。

ずっと握りしめていたものを、

「もう大丈夫」

と手放せた時にも、

人生は大きく動き始めます。

心のメンテナンスとは、

ネガティブな感情をなくすことだけではありません。

自分が何を怖がって、

何を握りしめているのか。

それに気づくことも、

大切な心のメンテナンスです。

そして、

荷物をひとつ下ろした時、

今まで見えなかった次の景色が、

そこから始まります。

この記事をシェア
ココロ日記一覧