人に嫌われたくない。
そう思うこと自体は、決しておかしなことではありません。
誰だって、人から嫌われるより好かれたい。
できれば揉めたくないし、人間関係も穏やかでいたいものです。
でも、
「嫌われないこと」が生き方の基準になってしまうと、少しずつ自分の心が見えなくなっていきます。
本当は断りたいのに、引き受ける。
本当は違うと思っているのに、相手に合わせる。
傷ついているのに、笑ってごまかす。
疲れているのに、「大丈夫」と答える。
言いたいことがあるのに、空気を読んで飲み込む。
一つひとつは小さなことです。
だから本人も、それほど大きな問題だとは思いません。
しかし、こうしたことが毎日のように積み重なっていくと、
「自分は本当はどうしたいのか」
それが分からなくなっていきます。
空気を読むことが悪いわけではない
人間関係の中で、相手を思いやることは大切です。
自分の気持ちだけを押し通せばいいという話でもありません。
問題なのは、
相手を大切にするためではなく、
「嫌われたくない」
「悪く思われたくない」
「いい人だと思われたい」
という不安から、自分の心を後回しにし続けることです。
相手に合わせているつもりでも、そのたびに自分の気持ちを無視している。
すると心の中には、少しずつ疲れがたまっていきます。
心が疲れる原因は、大きな出来事だけではありません。
むしろ、
「本当は嫌だった」
「本当は休みたかった」
「本当はそう思っていなかった」
そんな小さな本音を何度も飲み込むことによって、静かに疲れていくことがあります。
自分らしく生きるとは、好き勝手に生きることではない
私は、自分らしく生きるということは、
何でも好きなようにすることでも、
言いたいことを全部言うことでもないと思っています。
まず大切なのは、
自分の心を、自分が無視しないこと。
相手に合わせる時でも、
「本当は自分はどう感じているのか」
それを知ったうえで選ぶ。
断る時も、
受け入れる時も、
譲る時も、
自分で分かって選んでいるのなら、自分を失うことにはつながりにくい。
でも、
嫌われることへの恐れだけで選び続けていると、人生の主導権が少しずつ他人へ移っていきます。
「相手がどう思うか」が判断基準になり、
「私はどうしたいのか」が後回しになってしまうからです。
まず、自分の本音を聞いてみる
今日一日の中で、一度だけでもいい。
自分にこう聞いてみてください。
「本当はどうしたい?」
すぐに行動を変えなくても構いません。
まず、自分の気持ちに気づく。
それだけでも違います。
自分の心に気づくこと。
自分の感情を無視しないこと。
自分の本音を、自分だけは知っていてあげること。
それも、大切な心のメンテナンスです。
誰かに嫌われないための人生ではなく、
自分自身との関係を大切にできる人生へ。
自分らしく生きることは、
嫌われないことより、自分の心を無視しないこと。
岡本マサヨシ




